今年は冬になる前の今の時期から、
インフルエンザが流行していると毎日ニュースで見かけますが、
インフルエンザを予防するうえで歯みがきや口腔ケアが
重要だということはご存知ですか?
歯みがきや口腔ケアをおろそかにしていると、
むし歯や歯周病の原因となる菌が増殖して
プラーク(歯垢)となることはよく知られています。
このプラークには、気管支炎や肺炎などの発症や重症化にかかわる肺炎球菌や
インフルエンザ菌のほか、重篤な感染症の原因となる黄色ブドウ球菌、緑膿菌、
セラチア菌などの細菌も含まれているとみられます。
これらの細菌はプロテアーゼと呼ばれる酵素を出し、
インフルエンザウイルスが気道の粘膜から細胞に侵入しやすくする特性をもっています。
つまり、お口の中が不潔な状態を放置しておくとプロテアーゼの量が増え、
インフルエンザの発症や重症化を招きやすくなるというわけです。
実際、歯科衛生士による口腔ケアを受けた人のインフルエンザの発症率が、
本人や介護者だけから口腔ケアを受けた人の10分の1になったとの報告があります。
日ごろから適切な歯みがきや口腔ケアに努めていると、
インフルエンザの発症率を10分の1に減らすことができる可能性が示された意義はとても大きいといえるでしょう。
インフルエンザ予防には、もちろんインフルエンザワクチンの接種、手洗い、うがいが大切ですが、
適切な歯みがきや口腔ケアが意外なほど役立つことを知っておいていただきたいと思います。
歯医者さんで適切な歯みがきや口腔ケアの指導を受け、日ごろからお口の中を清潔に保つことも
インフルエンザ対策の1つに加えていただければ幸いです。